主婦の交通事故

交通事故主任弁護士小林芳郎

主婦の方が交通事故にあった場合、以下のような問題が生ずる場合があります。

  1. 主婦なので自動車保険に入っていない?
  2. 主婦として怪我の影響で家事ができないが,休業損害は補償されるのか
  3. 主婦で後遺障害が残ってしまった
  4. 高齢者主婦の場合

上記4つの問題点について、以下で詳しく解説していきます。

1.主婦なので自動車保険に入っていない?
2.主婦として怪我の影響で家事ができないが,休業損害は補償されるのか
3.主婦で後遺障害が残ってしまった
4.高齢者主婦の場合

1.主婦なので自動車保険に入っていない?

例えば夫が所有する自動車を運転しているときに交通事故にあった場合、自動車保険の契約者は夫なので、主婦である自分は保険を利用できないのではないかと勘違いしているケースがみられます。保険に入っていない自転車を運転していて事故にあった場合や、歩行中に事故にあった場合も、同様かと思います。

しかし、夫が自動車保険に加入している場合、被保険者(保険適用対応者)には、通常、配偶者も含まれていますので、主婦であっても人身傷害保険(ご自身の怪我の治療)や弁護士費用特約(弁護士相談したり、代わりに交渉してもらう)を利用できる可能性があります。

基本的に、同居の家族が加入している保険は対象になりますので、主婦だからと遠慮せず、事故にあったらすぐに保険会社に問い合わせてみることをお勧めします。

2.主婦として怪我の影響で家事ができないが,休業損害は補償されるのか

専業主婦の場合、外で稼いで収入を得る給与所得者などとは違い、怪我や通院の影響で、実際に収入が減るわけではありません。しかし、怪我や通院によって、世帯を支えるために行っていた家事が満足にできなくなり、宅配や家事代行を利用したり、家族にお願いしたりと、様々な支障が生じます。

そこで、このような場合は、主婦の休業損害として、家事労働の対価を計算し、具体的な損害を相手に請求していきます。例えば、自賠責保険の場合も、主婦の休業損害は日額5700円という基準がありますし、裁判の場合は、統計上の女性の平均賃金から主婦の年収を仮定し、どの程度家事労働に支障があり、休業損害が発生したかの計算をしていきます。

なお、パートやアルバイト等で統計上の女性の平均賃金より年収が低い兼業主婦の場合も、家事労働分の損害が発生しているとして、同様に休業損害を計算することが可能です。

3.主婦で後遺障害が残ってしまった

主婦が交通事故で怪我を負った場合、完全に怪我が治ればよいのですが、残念ながら後遺障害が残るケースも一定程度存在します。

このような場合にも、休業損害と同様、将来の家事労働に影響が生じるものとして、主婦としての逸失利益を相手に請求することが可能です。計算方法も、休業損害の場合と同様に、統計上の女性の平均賃金を参考に、主婦の逸失利益を計算していきます。

ただし、顔の傷や骨の変形等の外貌醜状や変形障害の場合、主婦は他の職業と比較して逸失利益に影響が出にくいと判断されることもありますので、注意が必要です。

4.高齢者主婦の場合

高齢者の主婦は、若年の主婦と比較して、家事労働の質、量や、世帯に対する貢献度が低いとして、休業損害や逸失利益が低く判断される場合もあります。しかし、高齢者主婦であっても、若い時と同様に家事を行う方は多く、夫や両親の介護等、むしろ負担が増えているケースもあります。高齢者主婦の休業損害や逸失利益が実態に応じた適切な算定がなされるよう、きちんと主張をしていく必要があります。

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