交通事故でもらえなくなった退職金請求

弁護士大倉りえ

交通事故による重い後遺障害のために会社をやめざるを得ないこともあります。定年まで勤め上げれば多額の退職金をもらえるはずだったのに、交通事故による中途退職で少額の退職金しかもらえないことも、交通事故による被害といえます。この退職金の減額分を加害者や保険会社に対して請求していくには、どのようにすればよいのでしょうか?

もらえたはずの退職金請求が認められるためには

  1. 交通事故のせいで会社を辞めざるを得なくなったこと
  2. 交通事故がなければ定年まで勤め上げていたこと
  3. 交通事故にあわず定年まで勤め上げていれば退職金がでたこと

を示していかなければなりません(便宜上、「会社」と書いていますが、公務員であっても同じです)。この3つの条件について、以下で詳しく解説します。

1.交通事故のせいで会社を辞めざるを得なくなったこと
2.交通事故がなければ定年まで勤め上げていたこと
3.交通事故にあわず定年まで勤め上げていれば退職金がでたこと

1.交通事故のせいで会社を辞めざるを得なくなったこと

交通事故のせいでお亡くなりになった場合や、後遺障害1~3級の場合は、請求が認められやすいといえます。

それより軽い後遺障害の場合は、会社での仕事の内容からして、その後遺障害があったら仕事にならない、とか、危険なので辞めざるを得ない等、仕事と後遺障害との関連性次第です。たとえば、運転手をしていて、目に後遺症が残ってしまった場合は、関連性が強いといえます。

2.交通事故がなければ定年まで勤め上げていたこと

まず、交通事故までの勤務期間が長い方が、請求が認められやすくなります。就職したてだと認められにくく、退職間近の年齢であれば認められやすいです。

また、大企業や公務員だと認められやすいです。大企業や公務員は、途中退職する人が中小企業に比べると少ないといえるので、定年まで勤め上げていた可能性が一般的に高いといえます。もちろん、中小企業でもその会社の従業員の多くが辞めずに定年まで勤め上げているのであれば、大企業同様の考え方になります。

学校を卒業した後転職をしたことがない人は、多くの転職歴がある人よりも、定年まで勤め上げる可能性が高いといえます。

そういった諸事情を考慮して、事故がなければ定年まで勤め上げていただろうといえるかどうかを、決めていくことになります。

3.交通事故にあわず定年まで勤め上げていれば退職金がでたこと

退職金規程がなかったり、あったとしても、しっかり退職金の額を計算できないような会社ですと、勤め上げたところで退職金がでるか怪しく、認められにくいといえます。また、きちんとした退職金規程があっても、業界が衰退産業で同業会社の倒産相次いでいたり、給料カットが行われているようでしたら、将来、現行の退職金規程通りの退職金がでる可能性は高くはないということになります。

上記1.から3.(特に2.と3.)は、どれも絶対にそうとは言い切れないことであり、将来の推測がからむ曖昧な話です。ですから、交通事故の加害者側の保険会社が交渉段階で、退職金の差額を認めて払ってくることは少ないといえます。そこで、退職金の差額の支払いをうけるには、訴訟をする必要があるのが通常です。そして、訴訟手続きの中で、上記のような様々な事情を考えて、最終的には裁判官が退職金の差額を認めるかどうかを決めます。

なお、退職金の差額はその差額がまるまる支給されるわけではありません。将来利息控除といって、年利5%分のマイナスを行います。その額が、実際に支給された退職金より低額な場合は、退職金の差額はないことになり、請求できません。5%は今の金利情勢からするとかなりの高利なので、その結果、そいうこともありえます。

また、逸失利益との関係も大切です。逸失利益とは、死亡してしまったり後遺症が残った場合の将来の減収分の補償です。この減収分も将来の予測が入るので、最終的には様々な事情を考慮してざっくりと決めるところがあります。その様々な事情の中に退職金の差額請求をしているかどうかも含まれます。その場合、退職金差額を請求した方が有利になるか、かえって不利なのかは、年収や定年の年齢、退職金の額等、さまざまな事情により変わってくるので、弁護士と慎重に検討する必要があります。

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